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右往左往するアラサ―女子の、気ままな備忘録・雑記です。

「流した涙も決断も、僕の自由」と彼が笑った気がした

彼のご家族へのお手紙

おじさま、おばさま、○○ちゃん

大変ご無沙汰しております。記念会に参加せず、本当に申し訳ございませんでした。
皆さんにお手紙をと思いながら、でもやっぱり自分自身に満ちた悲しみとか、さみしさ、くやしさにうまく筆が進まず、もう5月になってしまいました。
これからも、きちんとした形でのご連絡を取ることは難しいかもなんて考えたことが何回かありました。でも、皆さんの心が少しでもなぐさめられ、癒えていればと祈っておりました。

背中に矢が刺さっても死ねなくて、矢を抜けば即死するような鴨みたいな心持ちのまま、それでも皆様の平穏安穏がありますようにと祈っていました。
そんな、自分の悲しみでいっぱいの身勝手な私がお手紙を書く勇気を持ったのは、三浦綾子さんの『道ありき』を読んだからでした。

三浦さんは長いこと結核で闘病されていたんですが、その時に同じ病で自分よりも重症なのにずっと励まして、そしてキリスト教を説いてくれた親友・プラトニックな恋人がいたそうです。

私は、この本の中の「正さん」に彼の姿を見ました。
私の10代・20代は自分に課したコンプレックスでがんじがらめでした。
そこに現れたのが彼でした。
私に進んでキリスト教を説いてくれたわけではないですが、私は彼の信仰を通してなぐさめられ、人生をまっとうしようと生きるファイトをもらったものです。

P274-275には、彼が私に全く同じことを言ってくれた!とびっくりする言葉がありました。
綾子さんと「正さん」の日常のやりとりにも、
「私と彼のやりとりを見てたの?」と思うくらい、そっくりです。

つまり、やっぱり、彼は素晴らしい信仰者だったんだろうと、きちんとキリスト教をしらない私ですが、私の心が一番よく知っています。
この本は、綾子さんにとっての『道』は「正さん」に他ならないこと、かけがえのない『青春』だったことが記されています。

私にとっての彼もまた、『道』であり『青春』そのものでした。

私は、この先も生きていかないとなりません。
彼のいない世界で。
私は神様が嫌いです。素晴らしいからって彼を先に連れ戻してしまったから。私も彼と一緒にいたかったのに。
だけど、私がいつかこの世にいる最後の日になった時、彼が先に行ってしまった理由を、運命を見るでしょう。
私は無神論者ですが、その先に愛があると信じます。

この本の「正さん」は彼そっくりです。
彼が筆まめだったのは、伝道だったのだと、やっとわかりました。「正さん」は彼についていろいろと新しく私に発見させました。
あまりにそっくりなので、涙なしには読めません。
でも、どうぞみなさんの中にいる彼が、より鮮明に見えてくるでしょう・・・なので、勇気をもってこの本を贈ります。

生きて、生きて、生きていきましょう。そしてまたきっと、お目にかかれますように。

ユキ

PS

”God grant me the serenity to accept the things i cannnot change;courage to change the things I can;and wisdom to know the difference.
神よ、変えられないものを受け入れる冷静と、変えられるものを変える勇気と、それらの違いを識別する知恵をお与えください”
はからずもこれは10代から私が大事にしてきた、言葉で、ニーバーの祈り、神学者さんの言葉でした。
彼はこれを私が紹介し、知った時、とてもimpressedな表情をしていました。

この手紙は何かというと

死んでしまった彼のご家族に、うまく連絡をとれないでいました。
彼の生きた証拠を見るのがとても難しいのに、そっくりな皆さんに会えば私の涙は体中の水分を奪うからです。
三浦綾子さんの『道ありき』の紹介は別の機会にしますが、遠い未来、私にとっての彼が、「私の『道』だった」と、「私の青春だった」と、「私の最愛だった」と、三浦さんのような視線で思い出せるといいなと、願いました。
その願いを、心の中に持てた時、やっと、
「私だけが悲しいのではなかった」「優しい皆さんだからきっと私のことも心配しているに違いない」と思うに至りました。

彼が死んでから、私という人間の、身勝手さや罪悪ばかり見ます。
私が代わりに死ねばよかったと本当に毎日思いますが、
きっとこの罪悪感・くやしさ・悲しみをどう私は自分の生きるエネルギーに変えるか?というところが、
神様が、
「お前、とんでもない人間だから、ハードモードにしてやんよ、修行してこいや」
と私にこのくそ人生を課したテーマなんだと、運命なんだと、まずは非常に悔しいですが、神様からの要求を呑む次第です。

死んでたまるか。

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